PanasonicのMVNO「Wonderlink LTE」の速度レビュー、口コミ・評判
PanasonicがMVNO事業として提供している格安SIMに「Wonderlink LTE」というものがあります。富士通系のMVNO回線をMVNE元にしている若干マイナーなMVNOかと思われます。
マイナーということで不安視される人もいることでしょうが、運営元に富士通とPanasonicが絡んでいるということで、下手に横文字で名の知られたMVNOなどよりかは安心出来るかと思われます。
料金は高くもなく安くもなくといった感じですが、プランの内容はかなり特徴的になっているため、一部の人たちには「欲しかったプラン」として契約に値する回線の一つになるかもしれません。
今回はその特徴的なプランの解説と活用方法、そして速度の状況を確かめてみたいと思います。
Wonderlink LTE 料金プラン
「Wonderlink LTE」の特徴はその料金プランにあります。正確には料金には特徴はありませんが、プランに特徴があります。
まずはプランの種類です。「Wonderlink LTE」には3つのLTE回線を使ったMVNOプランがありますが、その内1種類はノートパソコンとセットにされた特別なプランであるため、格安SIMとして契約出来るプランは2種類ということになります。
LTE I シリーズ | I-2Gシングル | I-3Gシングル |
---|---|---|
データプラン料金 | 700円 | 1290円 |
補足内容 | 2GB キャンペーンで900円⇒700円 1年縛りあり 解約金7860円 | 3GB 縛りなし |
LTE F シリーズ | F-1G512 | F-2G512 |
データプラン料金 | 1580円 | 2000円 |
補足内容 | 1GB 制限後512kbps 初月無料 | 2GB 制限後512kbps 初月無料 |
2種類の内まず1つは、2GBのパケットデータを提供する格安SIMの中では、2015年3月の時点で最安の存在になる「LTE I シリーズ」というなのプランです 。こちらは2GBと3GBという2つのパケットデータ量を選ぶことが出来ます。最大速度は150Mbpsとされており、通信容量を超過した場合には速度は200kbpsに制限されます。
利用出来るのはLTE端末のみです。もちろん3Gエリアでも繋がりますが、LTE向けのAPNしか用意していないため、3Gスマホでは対応出来ない仕様になっています。
2GBで700円という安さではありますが、その安さには理由があります。それはデータプランでも1年間の最低利用期間があるということです。MVNOではmineoと同じような対応になっています。ただし3GBのプランでは最低利用期間はありません。2GBだけが安いために縛りがあります。期間内の解約金は7680円です。
もう1つのプランは「LTE F シリーズ」という名のプランで、こちらもパケットデータ量が2種類から選べます。
こちらのプランでは1GBの通信容量で料金は1580円、2GBで2000円となっており、先ほどのプランには比べると使える高速パケットデータ量は少ないのに高くなっています。またベストエフォートではありますが最大速度は75Mbps、アップロードも25Mbpsと先ほどのプランの半分にされています。縛り期間こそ両方の通信容量共に存在しませんが、それ以外の点においては先ほどの「LTE I サービス」よりもデメリットが多いプランのように映るかもしれません。
ただしこうしたデメリットもあるものの、「LTE F シリーズ」にはある大きな特徴が備わっています。
それは通信超過後の最大速度が500kbpsという低速の中では速い速度で使えるという点です。これはかなり大きなメリットと言える内容かと思われます。通常MVNOでは速度低下後には200kbpsの低速にまで制限されます。200kbpsでもネットを利用することは出来るのですが、読み込みも遅いですし動画系のサイトではまず何も利用出来ない悲惨な速度になってしまいます。
これが「Wonderlink LTE」の「LTE F シリーズ」プランでは、500kbpsと低速ではあるもののそれでも速度自体はそこそこ出せるので、普通のWEBサイトぐらいならば比較的表示が速くなります。更に動画系だと画質の低いストリーミング配信なら苦もなく見ることが出来るでしょう。youtubeも画質を320pに設定で落とすことが出来れば、頻繁に止まるようなことはないでしょう。
この2種類のプランが「Wonderlink LTE」の特徴です。特に「LTE F シリーズ」の制限後でも500kbpsというのは、特殊性があるでしょう。規制後にも快適さを失いたくないという人には気になる格安SIMになるのではないでしょうか。
Wonderlink LTE 機能・サービス
「Wonderlink LTE」はこれといって機能や付加価値のあるサービスは存在しません。SMSなどの別機能なども全く存在してません。
最近になってようやく広告費などを積んで世間一般にサービスの周知を始めたようなMVNOなので、サービス面の充実についてはもう少し時間が経って利用者が増えないと難しいかもしれません。
支払い方法
支払い方法はクレジットカードのみです。解約金は先ほどのプラン解説で紹介した通り、「LTE I シリーズ」の2GBプランについてきます。
また今回の格安SIMの利用にはクラブ パナソニックへの入会が必要です。また格安SIM登録後、数日でSIM自体は届くものの、開通にはそこから更に数日待つ必要があります。大体到着後5営業日以内に開通処理がされますが、この間は手元にSIMカードがあってもSIMによる通信が一切出来ないため、他のMVNOに比べると契約を開始してから実際に使えるようになるまで、時間がかかってしまうというデメリットがあります。
速度計測
速度は結構速い方でしょう。混雑する昼時に10Mbpsを出しています。もともとMVNE元とも含めて、利用者が少ないという一種のメリットがあるため、速度に関する問題というのは現状では起きにくいというのが考えられます。
今回速度を見るために契約したのは「LTE F シリーズ」ですが、ベストエフォート75Mbpsというのはほとんど不利にならない契約内容であるかと思います。
高速通信時はこの結構速い速度で使える事が出来、規制後は512kbpsで利用出来るため、料金こそ若干高めではあるものの、速度に困るというのは少なさそうなMVNOになるかと思われます。
規制値512kbpsプランは使い道がありそう
2種類のプランを保有する「Wonderlink LTE」ですが、この内最も活用しやすいのは規制後も512kbpsが出せる「LTE F シリーズ」プランでしょう。もう片方の2GBと3GBのプランについては、他社のMVNOと真っ向勝負する形になり、あまりお買い得感がありません。
一方で規制されても512kbpsというのは他社には類似したプランがありませんので、多少1GBあたりのパケットデータと比較して料金が高いといっても、友好活用のしがいがあるプランといえそうです。
大容量通信をする機会が少なく、ネットを常に快適に利用したいという場合には適したプランの一つになるでしょう。
オススメ度は75点/100点です。速度に関してはあ問題ありませんが、付加価値のある機能やサービスが一切ないのは残念です。それほど料金も安くは無いので、使い方によって評価はかなり変わってくるでしょう。