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ドコモとAppleに挑戦状!もしもシークスがMNPで投げ売られたiPhone 6/Xperiaの白ロム?MVNOセット契約を提供

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株式会社エックスモバイルが運営するMVNO「もしもシークス」がついに(?)禁断のセット販売をしてしまいました。

 

もしもシークスは4月21日より自社のMVNOとセットで契約出来る端末として、iPhone 6/iPhone 6 Plus、Xperia Z3 compactを販売ラインナップに加えるとの発表をしました。

 

今回のニュースで驚きなのは、これらの販売されるスマートフォンがSIMフリーモデルではなく、docomo版のスマートフォンということです。

 

しかもdocomo版と言っても正規にdocomoから卸して来たものではなく、「独自のルート」で新品・未使用のdocomo版iPhone/Xperiaを調達し、自社のMVNOとセットにして契約出来るようにしています。

 

所謂白ロム+MVNO回線をセットにして、「格安スマホ」よりもコスパを良くしようという組み合わせ的には古典的な方法ではあるのですが、問題はこれをdocomoのMVNOを運営している業者が公式に行っている販売方法ということです。

 

docomo版のスマートフォンは当然のようにdocomoから直接卸しているわけではなく、「独自のルート」から調達などというなんとも怪しい表現になっている「白ロム」です。docomoではわざわざ公式的な声明には出していないものの、広告の取り扱い規約の中に白ロムに対して否定的な内容を含ませているので、白ロムの存在に対して好意的では無いのは確かでしょう。儲けが出ないわけですし。

 

そんな白ロムに否定的なdocomoと、MVNOという形で直接的に大きな関わりのある業者がdocomoを通さずに契約付きで白ロムを売り出すというのは何とも危険な橋を渡っています。

 

ここまでで既に危険すぎるのですが、更にもしもシークスがチャレンジャブルなのはラインナップに「iPhone」が含まれていることです。

 

ただのAndroidの白ロムだけならdocomoももしかしたら見逃してくれたかもしれませんが、キャリアの管理や取り扱いに厳しい対応をするとされているApple製品を巻き込んでしまいました。使われているのはdocomo版ですから文句を言われたらdocomoも動かざるをえないことになりますので、もしもシークスの存亡が限りなく不安視される販売状況を産んでいます。

 

 

 

「「独自のルート」で白ロムを調達」の危うさ

 

とにかく今回のもしもシークスの販売方法は、docomoのMVNOなのにdocomoに喧嘩を売って商売を行うという中々にロックな展開で、細部にツッコミどころが満載です。

 

その一つに白ロムを「独自のルート」で調達してきたという点があります。

 

もしもシークスでは、今回セットになる白ロムをdocomo本体を通さずに「独自のルート」で調達してきたといいます。

 

その独自のルートについてケータイWatchさんの取材で、以下の様なルートで調達してきた、という内容があります。

 

iPhoneを仕入れたキャリアショップなどが、その後、在庫を手放す事態となって、エックスモバイルが引き受けたもの

k-tai.impress.co.jp

 

仮にこれが本当だとしたら、その協力したキャリアショップおよび代理店は最悪docomoとの提携解除になってもおかしくないでしょう。

 

代理店業務の詳細な契約内容については不明ですが、docomoから仕入れたスマホを別の事業者に契約なしで販売=横流しすることが許されるとは思いません。特にAppleとのキツいしがらみのあるiPhoneをそのような扱いが可能なわけがないでしょう。

 

もしもシークス販売iPhoneのIMEIを調べれば、ある程度どの代理店系列に卸されたものかもわかってしまうわけで、もしもシークスだけでなく調達に利用したとされる代理店もdocomoからのお叱りを受けかねない非常に危険な販売方法をとっています。

 

 

 

ただ、恐らくですが今回のもしもシークスの契約端末の調達に、docomoの販売代理店が関わっている可能性は低いでしょう。

 

というのももしもシークスで購入する端末には「赤ロム」になる危険性が注意書きとして載せられています。

 

商品の検品には万全を期しておりますが、万一ネットワークエラー等が発生した場合は、当社通信プランをご契約のうちはいつでも責任を持って交換をさせて頂きます。

 

代理店経由で調達したものであった場合ネットワーク制限は横流し品だと常に「▲」、仮に契約を通したとしていても支払いが滞ることは代理店の性質上考えにくいため、一定期間で「◯」が付くはずです。


正規の販売店から「調達」したものなら、少なくとも赤ロムの危険性は無いかと思われます。それでも赤ロムの危険性があるとしたら、正規のdocomo代理店以外から未使用品・新品状態のアウトレット品(もしもシークスの表現に依る)を仕入れたことになるでしょう。

 

 

そしてその調達ルートは恐らくは「携帯古事記」と呼ばれる方々が関わっている可能性が高いです。

 

今回もしもシークスが販売するiPhone 6/iPhone 6 Plus、Xperia Z3 compactというラインナップを見て、勘の良い方ならこれらの端末に共通点があることに気付くことでしょう。

 

それは2014年12月~2015年3月にかけてMNPや機種変更で大量に投げ売りされたスマートフォンということです。

 

これらの端末は昨年の年度末にdocomoからキャッシュバックを付けられたり、特別なキャンペーンが行われたことで非常に安くなっていたスマートフォンです。

 

どれも契約する際の価格が白ロムショップでの買い取り価格より下回っていたため、携帯古事記によって転売目的で大量に買われ新品状態で白ロム市場に流れて行きました。

 

恐らくはもしもシークスではこれらの白ロムをどっかの業者と提携して集め、今回MVNOのセット用端末として販売するに至った、と個人的にはこの状況から考えています。

 

 

ちなみにこの白ロム業者がどこのものなのかを調べると、もしもシークスのHPに中古買取りサイトへのリンクがあり、「エコケー」という会社にたどり着く事ができます。そしてこのエコケーはどうも秋葉原の白ロム店「イオシス」の子会社らしく、この辺りが絡んでいそうな気配があります。

 

 

これをMVNOがやってしまう危うさ

携帯古事記によって産まれた白ロムにMVNOをセットに売るというのは、これまでもAmazonのマーケットプレイス内や楽天市場で個人業者や各ショップなどが行ってきました。

 

なので売り方としてはあまり珍しさはないのですが、それをMVNOがやってしまったことは今回の驚きでしょう。

 

docomoと直接の関係のない小売りや、個人がどこか適当なMVNOと白ロムをセットにして「格安スマホよりお得なセットだよ~」と宣伝するのは商売の一つだと思いますが、docomoとMVNO関係を結んでいながらdocomoの利益にならない白ロムとのセットを大々的に販売というのは挑戦的を超えて挑発的です。

 

しかもiPhoneの再販を新品(もしもシークス的な表現ではアウトレット品)として出しちゃっているわけですから、普通に白ロムセットを売るよりも色々厳しいApple社からのプレッシャーがdocomo側にかかってお見逃しの可能性もより低まる可能性があります。

 

また「赤ロム」の危険性があるのを認識しながら、それを契約商品とセットにしてしまうというのもかなり危ういと感じます。赤ロム端末はいわば不正取得した端末と考えていいわけで、それを通信事業者が商品として売ってしまうのは本来ありえない構造でしょう。

 

今回のもしもシークスの販売方法は、常識を超えて自滅しかねないチャレンジャーな内容になっており、今後の展開に注目せざるをえません。

 

この方法自体、ゲオスマホのような展開なら何も問題はなかったと思います。スマホ販売側の責任はゲオが受け、OCNモバイルONEがそのセットとなるMVNOとして付いてくるという構図だったら、こんな感じで問題視する必要もなかったと思うのですが、今回のケースのようにMVNOが直接docomoの白ロムを販売に使ってしまっては今後問題も出てきそうです。

 

とりあえずもしもシークスのMVNO業務が続けられるのか、調達があったとしたら代理店のdocomoとの契約がどうなるのか、その辺りはこれから気になって仕方がない内容です。

 

ちなみにMVNOの品質としてはU-mobileがMVNE元という事なので、ある程度察せるので触れなくても良いレベルになっています。