NifMoの格安スマホセットを評価してみる
前回格安SIMについてそのプランと速度について詳しく検証してみたMVNO「NifMo」ですが、今回は格安スマホセットの内容についてを考えてみようと思います。
NifMoはサービス開始当初から格安スマホセットを販売しています。2015年3月の時点では、2台の異なるスマートフォンをNifMoの格安SIMとセットにしています。
格安スマホサービスとしてこの2台は別のMVNO事業者が取り扱っておりある意味ポピュラーなセットしか提供できていないのがNifMoなのですが、NifMoで格安スマホを選ぶメリットがあるのかどうかについて考えてみます。
NifMoの格安スマホのメリット
料金が安くなる
NifMoの格安スマホのメリットの一つにはセットにする事で毎月のスマホ料金が安くなる事です。
従来でもNifMoではniftyのプロバイダ契約をしている場合に、毎月の200円の割引を受ける事ができましたが、格安スマホのセット契約をする事によっても、そちらの200円引きとはまた違った形で割引を受ける事が出来ます。つまりniftyとプロバイダ契約をしながらNifMoの格安スマホセットを購入することで、合計400円の割引が通常契約する料金よりも安くなります。
今のところ格安スマホセットで販売されている2つのスマホのそれぞれの月額料金を表にしました。これがおよそ24ヶ月かかるということになります。
格安スマホ | Zenfone 5 | ARROWS M01 |
---|---|---|
NifMo音声プラン | 1600円 | 1600円 |
格安スマホセット割引 | ▲200円 | ▲200円 |
スマホ本体24回払い/(一括時) |
1297円/(31112円) |
1575円/(37778円) |
セット総額 | 2697円 | 2975円 |
税込み総額 | 2912円 | 3213円 |
ARROWS M01は国内メーカー富士通が販売する防水スマホということもあって、Zenfone5よりも高くなっています。しかし防水以外の性能、特にサクサク度など動きの質に関わるスペックに視点を移すと、2GBRAMのZenfone5のほうが操作性は上と言えるかもしれません。その分が料金の違いに表れています。
スマホスペック | Zenfone 5 | ARROWS M01 |
---|---|---|
Android ver | 4.4 | 4.4 |
CPU | Snapdragon 400 | Snapdragon 400 |
RAM | 2GB | 1GB |
ディスプレイ | 5inch 1280×720(HD) | 4.5inch 1280×720(HD) |
カメラ画質 | 800万画素 | 800万画素 |
バッテリー | 2110mAh | 2500mAh |
保証や操作方法サポートが充実
NfiMoの格安スマホには保証オプションを契約できます。保証問題というのは格安スマホでは常にネックになっていますが、オプションという形でそのサポートをしてくれます。
対応としては交換対応という形になり、代替品と故障した本体を交換がなされます。そのため最初に使っていたスマホは手元から無くなってしまうので、データのバックアップなどを常に意識しておく必要があります。初回は5000円、2回目からは10000円、3回目以降の故障交換は定価となるので、2回目まではお得な料金で代替品へと交換が可能です。
格安スマホ契約時にしかオプション追加が出来ないため、このオプションを利用する場合には料金が高くなることを忘れないようにしましょう。
この他にも初心者向けにスタッフが自宅までやってきて操作方法を解説してくれるNifMo訪問レクチャーというサービスもあります。初回のレクチャー自体は無料で、オプションの料金であるおよそ14000円でこのサービスを受けることが出来ます。2年縛りのあるオプションであるため、必ず14000円を支払うサービスである点には注意しましょう。
速度が速い
NifMoの格安スマホのみならずSIMのみの契約でもそうですが、NifMoの回線はとにかくMVNOの中でも際立って速度が出る高速回線になっています。
速度結果については過去の記事を読んでもらいたいですが、お昼時に10Mbpsを超える速度を出せるのは今のMVNO界ではNifMoぐらいしか存在していません。
快適快速なMVNOとしてとっても優秀なため、格安スマホという限定的な使用に限らず万人が納得してくれるであろうMVNOとなっています。
デメリット
数が少ない
もちろんNifMoの格安スマホはメリットばかりというわけではありません。デメリットと呼べるような、他社に比べて劣る部分があります。
その一つは格安スマホとして選べるセットが少ないということでしょう。現状でZenfone5とARROWS M01しかありません。他社が5種類前後から選べる環境と比べると若干見劣りはするでしょうか。
ただこの少なさはある意味洗練された結果とも言えます。海外メーカーのSIMフリースマホの中では、現状Zenfone5はコスパが良いスマホです。スナドラ400と2GBRAMの組み合わせはヌルヌル感などは存在しませんが、ストレスのないサクサクな操作が出来る十分なスペックです。それでいて安いという、現時点ではベストな選択の一つがこのZenfone5です。
ARROWS M01という新機種の追加も、国産・防水というZenfone5にはない良さを備えた端末であり、スペック競争という点ではあまりZenfone5とは競合しないという判断から追加されたものでしょう。
あえて最低限の格安スマホラインナップで、消費者に「ハズレスマホ」を選ばせないように配慮しているとも捉えられます。セット端末の少なさはデメリットとして捉えられる一方で、初心者の人に変な端末を掴ませない、ひいてはトラブルを未然に防ぐためのメリットとも捉えられるかもしれません。
機能も少ない
もう一つのデメリットが格安SIMとしてのNifMoは機能が少ないという点です。これはメリットの部分が少ない本当のデメリットになるかもしれません。
OCNモバイルONEやIIJmioのようないわゆる老舗のMVNO各社は、「パケットデータの繰越」「Wi-Fiスポット」「バースト機能」といった使いやすさを向上させる特別な機能が用意されています。ですがNifMoにはそういった追加で使えるような特別な仕様というのがなく、普通に2GBからのパケットデータが使えるだけの格安SIMになっています。
老舗が使えるようにしている機能は、普段は役に立たないように見えて、低速時などの場面で意外とありがたみを感じられるものであるので、そういった機能が2015年3月時点でないNifMoは、デメリットがあると言えてしまいます。
速度・スマホはベスト
選べるセット端末のラインナップ、SIMが出せる速度の速さ、格安スマホを選ぶ上でも特に重要な2項目については、ベストに近くトップクラスの存在感を見せているのがNifMoの格安スマホであるかと思います。
不具合やトラブルが少なく多くの人の利用用途を満たせるスマホと、高速回線という組み合わせに不満の出ることはまずないかと思います。機能の少なさや実店舗系サポートが存在しない弱点はありますが、それでもメリット自体は大きなものになっています。
格安スマホとしてのオススメ度は95点/100点です。格安SIMの特集記事でも高得点を与えましたが、格安スマホのセット内容も超がつくほど優秀であるため、候補のMVNOの一つとなりうるでしょう。