OCNモバイルONEの速度比較とプラン・機能解説
NTTグループのOCNがdocomo網の通信回線を利用したMVNOモバイル通信サービス「OCNモバイルONE」を運営しています。
OCNモバイルONEはMVNOの中でも老舗と呼べる存在かもしれません。今ほどではないですが、初期のMVNOブーム時に市場へ入ってきて特徴的なプランで人気を博しました。今でもそのプランは他社が真似を出来ておらず、OCNとその系列MVNOの独占的なプランとなっています。
現在MVNOの中ではシェアNO.1と言われていて、全体のおよそ25%のMVNOユーザーがこのOCNモバイルONEを契約しています。また満足度でも70%を超えていて、IIJmioと共にNO.1か2の満足度を得ているMVNOの「定番」格安SIMです。
OCNモバイルONEプラン
プランは3種類・料金は5種類です。
プラン | 70/日 | 100/日 | 2GB/月 | 4GB/月 | 500kbps/7GB |
データ料金 |
900円 |
1380円 | 1100円 | 1450円 | 1980円 |
音声契約オプション料金 | 1600円 | 2080円 | 1800円 | 2150円 | 2680円 |
一日ごとにパケットデータが再チャージされるプランが2つあります。これが冒頭で話した特徴的なプランです。大半のMVNOが一月ごと、月をまたがないと再チャージすることが出来ない契約しかありませんが、OCNモバイルONE(とその系列)ではこのMVNO限定(2015年1月現在)の毎日パケットデータの再チャージがされる契約をすることが出来ます。
月をまたいでパケットデータが再チャージされる契約だと、月末の使用量によっては節約しながら、利用を制限しながら使わないといけないこともありますが、毎日チャージされることで月末の数日間でパケットデータを節約しながら使うというやり方をしなくても大丈夫になります。パケットデータの制限がかかるのは、あっても日中の夕方から夜までなので、そんなに規制や制限というものが気にならないプランです。
もう1種類の契約プランはMVNOで一般的な一月ごとのパケットデータ再チャージプランです。これはどこのMVNOでも大体用意しているプランです。少なめのプランを選択してしまうと、月末にかけて自主的に使い方を抑えないと速度制限の対象になってしまいます。
最後の一つは一月ごとにパケットデータが制限されているプランですが、同時に速度も一定の速度しかでないようになっているものです。速度は500kbps制限で、パケットデータは7GBまでです。500kbpsだと大体youtubeの低画質がようやく快適に読み込めるレベルです。標準画質だと頼りない速度でしょう。その他ブラウザの読み込みはサイトによって時間がかかるでしょう。
サービス解説
・SMS&090通話
SMS:+120円
090通話:+700円
SMS機能及び090通話共に有料になっています。
過去には090を頑なに拒んでいたOCNモバイルONEですが、流石に昨今の新MVNOサービスの台頭が続く中で090番号付きのサービスも提供し始めています。
従来の音声サービスであった050+の加入もまだまだ募集しており、2つの音声サービスを平行して主軸としているようです。
SMSオプションはLINEや各種ゲームアプリのSMS認証の際に役立ちます。
・パケットデータ繰り越し機能
OCNモバイルONEでは、当日あるいは当月で契約したコースについてくるパケットデータの容量を使い切れなかった場合に、翌日または翌月に余った分のパケットデータを繰り越して使える機能が用意されています。
これによって従来無駄になってしまったパケットデータを、ほぼ余すところなく使えるようになっています。このデータ繰り越し機能はMVNOの中でも限られた事業者しか機能として用意していません。ユーザーからもかなり評価の高い機能となっており、ユーザーに配慮するOCNの姿勢が見て取れます。
・Wi-Fiスポット無料利用
こちらもユーザー重視のサービスと言えるかもしれません。カフェや空港、その他ショッピングモールなど、各地で無料で使えるOCNと提携したWi-Fiスポットを利用することが出来ます。
サービスは無料ですが、プリペイド契約の人は対象外です。設置場所は約48,000箇所と、正直それほど多くないのですが、大きめの施設ならば利用が期待できると思いますので、積極的に活用していきましょう。
このWi-Fiスポットでの通信は、パケットデータ量を消費せずにつかえるため節約にもなります。
・ターボ機能でパケットデータを適した場面で使える
OCNモバイルONEでは、パケットデータの規定通信量を超えた場合には速度制限によって200kbpsへとその速度が低下してしまいます。ところがこの200kbpsという制限速度を意図的に出すことが出来る機能があります。
それがターボ機能です。この機能がONの時にはパケットデータを消費して高速通信をすることが出来ますが、この機能をOFFにするとパケットデータが消費されませんが200kbpsの速度に落ちます。これをうまく使えば、わざわざパケットデータを使う必要のない場面(Twitterなどの読み込みが軽いサイトを見るなど)でOFFにして、速度が必要なときだけONにするという使い方でパケットデータの消費量を節約することが出来ます。
・540円でパケットデータ追加可能
速度規制がかかったらその日またはその月はずっと制限された速度で使わなければいけなくなります。
ですがどうしてもその日あるいはその月にもっと高速で使いたいという場合にはパケットデータを購入する形で追加できます。追加料金は540円です。
一日ごとのコースの場合は540円で終日通信規制がかからない使い方が出来ます。一月ごとのコースでは500MB分の通信量を追加することが出来ます。規制にかかっても追加料金を支払うことで高速通信を続けることが出来ます。
・専用アプリで各種機能の申し込みやデータ量の確認が出来る
これらの追加機能やターボ機能、そしてパケットデータの残量の確認やコース変更はOCNモバイルONEのアプリから操作・確認をすることが出来ます。
速度計測
OCNモバイルONEについて、その速度についてはどれくらいの実力があるのかというのが気になると思います。先ほどから連ねて書いているように機能やサービス面ではほぼ不満のでるような内容ではありません。
その中で速度さえ出れば選ぶべき格安SIMの一つとなるでしょう。実際に計測した結果というものをここで紹介しておきます。
4つの時間帯で計測した速度ですが、お昼と夜の混雑しやすい時間帯でハッキリと速度が落ちるのがわかります。夕方のまだ帯域に余裕がある状態なら速度が出ている結果と比較すると様子が一目でわかるかと思われます。
この結果一つでは同判断していいか迷う人もいるかもしれませんが、この結果は他社と比較しても「速度低下が激しい」という結果です。IIJmioやNifMoなどの速度の出るMVNOだと、これよりも良い結果を出してます。
ただしだからといってOCNモバイルONEが不便なわけではありません。速度低下こそありますが、速度自体は普通にスマートフォンで利用するだけならちょっと遅い程度で、極端にスピードでイライラするようなことはないでしょう。
支払い
支払いはクレジットカード、または口座払いが選べます。口座払いが選べる格安SIMは少ないので質・内容ともに揃ったOCNモバイルONEで口座払いが選べるのは嬉しい事でしょう。未成年の方でも契約しやすいかと思います。
まとめ:非常に高い質とサービスの定番SIM
OCNモバイルONEについての機能と速度をまとめてみましたが、機能は文句のないサービスが充実しており、非常に使いやすい格安SIMであることは確かです。速度については環境によって遅くなりがちなのは、利用者数の多さから仕方のないことになるでしょうか。
速度は若干遅いところが目立ちますが、それ以外の総合的な部分では不満の少ない期待できる格安SIMです。プランの内容の良さ、各種機能の豊富さは多少の速度の困難さがあっても十分カバー出来るものになるでしょう。
1日ごとにパケットデータが再チャージされる主要なMVNOはこれしかないため、毎日一定量以上の通信をする人には適したプランになることでしょう。
オススメ度としてはかなり高く、85点/100点といったところでしょうか。もう少し速度が出やすいとオススメ度は上がるのですが。