堅実さを増してきた「楽天モバイル」の格安スマホ 速度など評判の良さが広まればブレイクスルーも有りうる有望株
MVNOとしてはかなり後発な存在である楽天モバイル。それでも最近の調査ではMVNOシェアトップ5の中に姿を表すなど、サービス開始の遅さに比べてシェアの広がり方はかなり良好で、今まで築き上げてきたブランド力が発揮されています。
MVNOとしての楽天は、楽天ブロードバンドLTEで日本通信をMVNE元にしたために評価は落ちていましたが、うまくそうした悪評が広がらずにNTTcomがMVNE元のMVNO回線を使えるようになったため、ユーザーからすんなりと受け入れられるだけでなく、良い評判も出てきています。
今回はこの楽天モバイルがこれまで出してきた格安スマホのラインナップを見てみた時に、「格安スマホ」を提供するMVNOとしてかなり褒めることのできるラインナップになっていることに気付いたため、今後の注目株として楽天モバイルの面白いところを語ってみたいと思います。
安かろう悪かろうなスマホを完全排除
「格安スマホ」のはんばいをしてきたこれまでのMVNOや家電量販店というのは、多様な価格帯を取りそろえるために安い中国製のスマホを販売ラインナップに加えていました。今でこそ中国製も操作性に不満を感じさせないものも出てきていますが、ちょっと前まで日本に入ってきたのは、安かろう悪かろうな低価格な分使い勝手に難のあるスマホが大半を占めていました。
こうした難のあるスマホも、これまでのMVNOや家電量販店は数合わせという意味やトータルの料金も安くなるという理由から、機種の中身に問題がありながらも積極的な販売をしていました。その結果、「格安スマホ」というジャンルの商品には、安かろう悪かろうというイメージがついてしまいました。これは未だに業界全体では払しょくできていないイメージです。
こうしたイメージは業界全体で正すべき努力をする必要のある問題だと思いますが、低価格帯の商品もラインナップにいれたいMVNOや家電量販店ではまだまだ安かろう悪かろうなスマートフォンを取り扱っています。
楽天モバイルでは低価格帯のスマホというのはあえて用意せず、多少全体の価格帯としては上がるものの、恐らくどの「格安スマホセット」を契約したとしてもユーザーの満足度が一定以上に至るものを選んでおり、価格帯の幅を増やして安く多売するような姿勢を採っていません。
使いやすくLTEに対応し、ユーザーに面倒をかかせるものがない
この企業姿勢はなかなか信頼というか評価すべき姿勢ではないでしょうか。玉石混交でとにかくブームの中で「格安スマホ」を売ってしまおうとするMVNOや家電量販店よりもMNOに割って入る「本気度」というものを感じます。
ラインナップは以下のとおりで、2万円台後半から5万円レベルのスマホが揃っています。
これらのラインナップに入っているスマホはどれも高いもののユーザー満足度も同様に高いしっかりとした「格安スマホ・SIMフリースマホ」です。不具合が少なく不満が出にくいだけでなく、修理サポートなどの機会も少なく済みます。全ての端末がLTEに対応することで、通信速度やレスポンスも高めることが出来るため、使いやすさは良好です。
低価格帯の満足度の低いスマホを排除することでユーザーの満足度を確保し、結果的に自社のMVNOの評価も底上げすることが出来るようなラインナップにしています。
速度も上々な格安SIM
楽天モバイルは過去の速度計測結果からもわかるように、どの時間帯もスピードの出る速い格安SIMになっています。このレベルなら格安SIM単体での満足度も高くなることでしょう。
満足度の比較的高いスマートフォンに、満足度の高い格安SIMを合わせることによって、楽天モバイルの格安スマホは他社との比較の中でも安牌と言えるようなまず最初に選ぶべき存在に成長しています。
今後評判が広まればブレイクスルーの予感
ただ楽天モバイルのこの速度の良さや、ラインナップから見えるMVNOに関する本気度は、あまりユーザーには伝わっていないような気がします。
ここ最近速度が急激に低下しており、この状態が設備投資が行われるとされる5月下旬までは続きそうなIIJmioやDMM mobileの人気は依然として高く、現状の速度状況に対して過大なまでの評価がなされています。
対しての楽天モバイルは、速度も良好であり格安スマホもユーザー満足度を重視した好感の持てるMVNOでありながら、その評価はあまり確立されたものがなく、不当に低い評価がなされているように感じます。
楽天モバイルのユーザー数は着実に増えており、今後その格安SIMの速度などの評判がしっかり広まり、またもう少し宣伝などで知名度が上がっていけば、MNOからの乗り換えにも適したMVNOになるのではないでしょうか。
格安スマホラインナップや、速度の維持など今後の動向に注視すべきMVNOの一つであることは間違いありません。
